2019年05月20日

僕らのシバキンプロジェクト

柴本さんが残した夏野菜の苗が数千。
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柴本さんのユーチューブ動画から、これでもほんの一部です。

農場の継続が不可能となり、従業員のミワちゃんが「意味もなく水だけやってます」と言っていました。
今後、育てることも売ることもできない苗、でも枯らすのは忍びない。
シバキンファームの資材関係の一切の使用ができず、車も使えず自宅から徒歩で長時間かけ通い、散水の機械も使えずじょうろで水やり…。

何とかならないか、どうにかならないか、それをずっと考えていました。
苗が枯れていくって、柴本さんだって悔しいだろうに。
全部は無理でも一部でも…。

で、一生懸命考えました。
柴本さんが喜んで、お客さんも喜んで、みんなが喜ぶ方法はないか…。
そして考えついたのが…。

シバキンプロジェクト!
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簡単に説明すると、残った苗を引き取り、フレスコの農家さんに協力し栽培してもらう。
できた野菜はフレスコで仕入れ、店で販売する。
これなら苗も無駄にならないし、お客さんにも食べてもらう事ができる。
さらに、生前「有機で社会に貢献したい」「貢献しなければ意味がない」と常に言っていた柴本さんの意志を汲み、野菜の売上の一部、正確には利益の半分を、フレスコが協力しているウルトラマン基金に募金する。

これでどうだ!これしかない!
(↑我ながらいいアイデアと満足し、元気になってくる)

栽培をお願いするのはもちろんフレスコファーマーズファミリーの農家さん。
でもこれがなかなか難しかった。
「協力はしたいけど場所が…」
時期的にすでに野菜を植えてしまって場所がなかったり。
そうかあ…、そんな事があるんだなあ。

でも、結果的にお願いできた農家さんがこちら。
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地元埼玉の斉藤さんと石井さんは大ベテランにして大人気の農家さん。
秋田の加藤さんも快く協力してくれました。
長野はりんごの丸山さん。
のらくらのNORA宮嶋君は個人で協力してくれたので、初の宮嶋ファーム(仮)の栽培。
そして一番量を引き受けてくれた地元のアミーゴ早船さん。

どうですか、この面々。
これはお客さんも喜ぶだろうし、楽しみじゃないかな。
皆さん、感謝です!

で、長野に行く当日の計画。
斉藤さん、石井さん、早船さんの分は持って帰る。
丸山さんは近所なので当日渡し。
加藤さんと宮嶋君は現地から発送で、エムプランの吉田さんに全部任せよう。
これで手はずは整ったはず。

が、長野に行く前日、丸山さんから「不幸があってさ、明日無理そうなんだよね。苗は吉田さんに渡しておいて」
これは、仕方ないです。
さらに、夜になってエムプランの社長から「吉田さん倒れちゃって」「えっ!何で!」「心筋梗塞」「大丈夫なんですか?」「まだ会ってないけど、意識は戻ったとか」(現在は快方に向かっているそうです)
社長にはシバキンプロジェクトの件は伝わっていなかったらしく…。

うーん、吉田さんがいないと…、どうするか…。
なかなかスムーズに進まないなあ。
もう考えてもしょうがない、とりあえず行ってみよう!
段ボールとかガムテープとかも一通り持っていくか。

で、当日。
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「茄子といんげんとピーマンです。きゅうりはダメでした」とミワちゃん。
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それでも可能な限り面倒見ましょう。
「皆さんのところで元気に育つんだよ」
発送分は、エムプランの社長がやってくれました。
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その後、収穫の途中、秋田の加藤さんと電話で話す絹子。
「あれ〜、絹さんも来てたんですか」
「はい、長野にいます」
「この度は大変でしたね。苗の件、聞いていますよ」
「無理言ってすいませんがよろしくお願いします」
「はい、大丈夫です。任せておいてください!」

と、こんな感じです。

柴本さんには色んな頼み事もしたし、色んな頼まれ事もされました。
でも今回、僕が柴本さんのためにできる唯一の、そしてきっと最後の事。
いつもの調子で「申し訳ない。苗、面倒見てくれる?」「しょうがないなあ。柴本さんの頼みならやりますよ」って、そんな感じかな。
シバキンプロジェクト、うまくいくといいなあ。


posted by フレスコ at 22:51| オーナーの話

長野に行った時の話

先日、柴本さんの故郷へスタッフ絹子と行ってきました。
当日、案内してくれたのは、柴本さんの弟子のミワちゃんです。
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まず作業場へ。
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ずいぶん散らかっているのは前からです。
もう乗ることがない軽トラはそのまま。
寂しいですねえ。
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作業場の脇に梅の木。
本当は今年この梅を出してもらうはずでした。
「手間賃だけはもらうよ」
「ちゃんと払いますから、よろしくお願いしますよ」
そんな話をしていたのが、あの日の僅か数日前でした。
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きゅうりの畑へ。
「しばらく水やっていないから、本当ならもう枯れてるんですけど、まだ元気なんですよ」とミワちゃん。
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小さいきゅうりがなっています。
「食べてみて下さい。美味しいですよ」
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「かわいい〜」
3本収穫して、僕らが1本ずつで、あと1本は留守番してくれているうっちーのお土産。
その場でかじりましたが、これが美味しかったですねえ。
甘みもあるし、味が濃いです。
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「今年はいちごにもチャレンジするんだって、栽培していたんですよ。苗がめちゃくちゃ高いって、実が全然ならないって、文句言ってましたけど」
そう言えば、昨年だったか、柴本さんに相談されたことがありました。
「いちご、売れる?」
「欲しいですね、美味いの作ってくださいよ。買いますよ」
なんて話をしたのを思い出しました。
本当に作っていたとは、冗談かと思っていました。
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このいちご、すっごい美味かったです!
甘いとか酸っぱいとかより、とにかく味が濃くて。
こんなに味が濃いいちごを食べたのは初めてかも。
たくさん採れれば、絶対売れてましたよ、柴本さん。

次に立ち寄ったのが、きのこのエムプランさん。
が、いつも相手をしてくれる営業の吉田さんが前日にまさかの緊急入院。
で、めちゃくちゃ忙しい時に時間を作ってくれたのが、社長の山内さん。
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「ご無沙汰してます」
「今回は色々と大変でしたね。吉田さんは大丈夫なんですか?」
「忙しくてまだ病院行ってないんです。吉田さんに頼り切りだったから、出荷も分からなくて…。私がいかに仕事をしていなかったかですね」
ご近所の柴本さんとも付き合いがありました。
「つい先日も、柴本さんに南瓜の育て方聞いていたばかりで」
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でも、柴本さんの話になると、なぜか笑い話で盛り上がっちゃうんですよね。
色んな話を聞き、多くの取引先の方々にも愛されていたんだと実感しました。
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「うちで作ったりんごジュースです。どうぞ」
「いいんですか!ありがとうございます♪」
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「変わったデザインのラベルですね…。誰が作ったんですか?」
「私です」
「社長自ら…。キャラクターが舞茸持ってるんですか…。きのこ屋さんだからね。そうですか〜」
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「だってさ」(絹子)
「そうなんですね〜」(ミワちゃん)
「いやあ〜、照れるなあ〜」(社長)
「いや、目立っていいんじゃないですか…」(僕)

最後に柴本さんの畑へ。
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「春菊、すっごい柔らかい。食べてみなよ。香りもいいよ!」
「お客様、喜んでくれるといいなあ」
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「せっかく来てくれたので、採っていってください。今年はもっと美味しく作るんだって、すごい張り切っていたんですよ」
聞くと、毎日早朝から深夜まで働いていたようです。
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「ほうれん草もどうぞ」
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収穫しながら柴本さんの話で盛り上がります。
「こんな事があったんですよ〜」
「え〜、そうなの!」
「いつもなんですよ〜」
「柴本さんらしいねえ〜」
「こんな事も言ってたりして」
「え〜!笑える!」
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終始、噂話?と笑い話の収穫作業でした。
「まだ信じられなくて…」
「私も…」
「でも死んだらすぐに生まれ変わるっていつも言ってたから、もうその辺にいるかもですね」
「その辺の葉っぱにでもなってたりして」
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「いっぱい採れたね」
「よかったです」
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「お客さんに届けるからね」
「嬉しいです」
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「柴本さん。ありがとうございました〜!」



posted by フレスコ at 09:43| オーナーの話