以下、長いし面白い話ではないのでスルーしていただいて、楽しく役立つ記事を読まれた方がいいかもです。
当店においてのことの始まりは、先週のある日、保健所から電話があったことです。
「ファーマーズフレスコさんですか?」
「ファーマーズ…、はいフレスコですけど」
「ファーマーズさんで違反食品が販売されてまして」
「え!?違反食品って」
「対象の商品は…、つきましては、仕入れと販売の実績の確認を…」
「仕入れは伝票見ればすぐ分かりますけど、販売の実績って」
「ファーマーズさんで販売した日付と数を調べていただければ」
「日付と数ですか!それはすぐには…。時間かかりますよ〜」
「もちろん、今日じゃなくてもいいので」
「それに調べたところでお客さん食べちゃってますよね」
「確実に数を把握して回収するのが私達の仕事なので」
「分かりました。調べて連絡します」
「電話かFAXいただければ。失礼ですが、ファーマーズさんの、え〜、お名前を」
「あの、ファーマーズじゃなくてフレスコですけど、星野です」
「よろしくお願いします」
まじかよ…、過去2ヶ月分の単品の売上から…、大変だぞこれ…。(←すごく大変でした)
ふと思ったのが、なんで保健所から?
この商品、業者から直接ではなく「恒食」という問屋から仕入れた商品。
すぐ恒食の営業担当に電話しました。
「回収の件、聞いてます?」
「そうなんです。在庫ありますか?」
「ありますかじゃなくて、知ってたの?いつ?」
「先週に」
「じゃあなんですぐ連絡しないの。FAX一枚なんで送れないの。社長は知ってるの?」
「知ってると思います」
「なんでやらないの。売り場からの回収が最優先だろ。保健所から先に連絡が来るってどういう事?」
「すみません」
「保健所だって忙しいだろうにがんばってるのに、問屋は回収するつもりゼロか?」
「すみません」
「こっちから言わなきゃ会社は何もしなかったの?」
「すみません」
「いや、どうしてこうなったのか知りたいの。でないとまた同じこと繰り返すでしょ」
「はい」
(めちゃくちゃ長くなるし不愉快になるので割愛)
「とりあえずすぐ送ってよFAX」
「はい」
が、これだけで終わらなかった。
数時間後にFAXで送られてきた業者が作った回収の書類に目を通す。
ん?
スタッフが疑問に思った。
僕も不思議に思った。
後日店に来てくれた宇野さんに見せたら即気づいた。
日付が入っていない。
こんな重要な内容に日付が入っていないなんてありえない。
で、調べたところ、業者が最初に作って取引先に送った元の書類には確かに11月25日とはっきり書かれている。
それを見て最初に驚いたのは、発表が先月だってこと。
僕は数日前の話かと思っていたが、数週間も前だったって…。
それまで何してたんだ!恒食!
そして最大の疑問、なぜ日付がないのか。
あくまでも個人的な推測。
業者から11月に恒食に回収の連絡があったのに、店への連絡をしなかった。
しかも店からの問い合わせで発覚した。
が、数週間も放っておいたと分かるとまずいので日付の部分だけを…。
スタッフも過去の経験から「偽装工作してるんですよ。あの会社なら普通にやりますよ」
そんな気がすごくするけど、真実は聞いてみないと分からない。
で、再び担当に「なんで日付入ってないの?」
「自分も変だとは思っていたんですが」
「誰があのFAX送ったの?」
「事務です」
「いや、そうじゃなくて、誰があの日付の入ってない書類を送れと指示したの?」
「…」
「すぐ調べてよ。真実を知りたい」
「はい」
そして数日も経って衝撃の事実が。
「あの件ですが…」
「うん、何か分かった?」
「あの…。印刷機の調子が悪かったようで、日付の部分が…。それに気づかず事務が送ってしまったようで…」
「印刷機って何?コピー機だろ」
やけに歯切れが悪いし、印刷機って言葉を使う時点で?って思ったけど、どっちにしても、もう呆れるしかない。
僕、笑っちゃいます、の世界だ。
思わず歌ってやろうかと思ったがやめておいた。
「あのさあ…。恒食さんのコピー機は調子が悪いと都合よく日付の部分だけ消えちゃうの?それで仕事してんの?」
「…」
「それさあ、信じるか?」
「…」
「こんなの恥ずかしくて俺はお客さんに言えないよ。どうなの?本当にそう思ってるの?」
「…。もう一度話してみます」
「話すも何も、それが事実なら誰かと話す必要ないじゃん」
「…」
結果、真実は聞いても分からなかった。
いや、恒食さんにとってはそれが真実なんでしょう。
でも僕らにはその真実がどうしても信じられません。
って言うか、そんな子供みたいな言い訳を信じる人っているんですかね。
がんばってここまで読んでくれた皆さん、どう思います?
まあ、社内の誰かさんが数日かけて一生懸命考えた答えがそれなんでしょうね。
真実はどうあれ、商品の回収という非常に大事なことを甘く見て適切な対応を取らず、店やお客様に迷惑をかけたのは事実。
最終的には、後手後手の誤魔化し、疑惑の印象、またしても不信感しか残らなかった。
恒食さんとはオープンからの付き合いですが、社長が息子に変わってからこの手の不愉快な事が何度も何度もありました。
隠すし逃げるし誤魔化すし人のせいにするし。
それでもその度に僕が口うるさく言ってきたのは、良くなってほしいと思っていたから。
ほとんどの取引先や多くの店に嫌われる問屋になってしまったけど。
それでも各お店さんのため、それぞれのお客様のため、そして業界のためにも。
だから、その度に百歩も千歩も譲って今までやってきたけど、とても店やお客様を大切にしている会社とは到底思えません。
もはや食品を扱う資格はない!と僕は思います。
他の問屋だったら商品のラベルの貼り忘れ程度でも、調査した後に細かすぎるほど詳しい報告書を出してくるのに、この会社は「コピー機が」ですか…。
日頃から良くやってくれている担当の営業さんにこれ以上言うのも心苦しいし、言っても会社の主張は変わらないだろうし、だからもういいです。
店はお客様のために、信頼できる生産者やメーカーから仕入れをしています。
そしてお客様に信頼されて初めて経営が成り立ちます。
これはどんな業種でもどんな店でも基本であり絶対です。
つまりその根本にある信頼関係が築けないのなら、取引を続ける意味はありません。
僕らもこれ以上不愉快な気持ちで仕事をするのは嫌だし、何よりお客様が気持ち良くお買い物して頂けるように、今後の対応を考えていきたいと思います。
ちなみに元恒食の宇野さんはこの件に対し。
「ふざけんなって。呆れるよな。コピー機ってさ、子供の言い訳だってもう少しまともだろ。アホか。OBとして情けないよ。営業も気の毒だよな。そんな誰も信じないような心にもないようなこと言わされて。そもそも、営業じゃなくて会社として即対応するべきだろ。これじゃ店は安心して注文できないよな。また何かあったらコピー機のせいにされて終わりだろ。危機管理どころか仕事の基本も分からねーのかよ。コピー機だってとばっちりだよな。なんだよ、俺のせいかよって思うだろ。今の恒食にまともなヤツいないのか?俺だったら、そんなふざけた言い訳お店さんに言えませんって突っぱねるけどな。仕事の順序が逆だろ。血の通わないような仕事するなって。あの社長じゃ話にならねーよ。会長(引退した父)とは俺は仲いいから今でもよく会うけど、こういうのは絶対許せない人だから知ったら驚いて寿命縮むよ。もうさあ…」
と、怒りが収まらないようで1時間くらい話し続けていました。
お話会、1回分のまとめが書けそうです。
話は長かったけど、今後のアドバイスももらって本当にありがたかったです。
「外堀を埋めてから動けよ」
「はい、そうします」
宇野さんがいた頃の恒食、前社長の頃の恒食、勢いがあったし気が利いて、義理人情みたいものあったり、いい会社でした。
それだけに残念です。