今回は生産者さんとの予定はなく、個人的なキャンプツーリング。
遠出はせず、片道3時間と近場で計画しました。
新緑が美しいこの時期に走るの好きです。
スーパーで買い出しをした後、椎茸直売所の看板を見つけ入ってみました。
店の外で草取りをしていたご主人と思われる方に「こんにちは。椎茸売ってますよね」と聞くと「小さいのしかないけど」と。
「時期とかあるんですか?」
「そうだなあ。この時期はなあ」
少し椎茸の話を聞いた後「とりあえず入ってみます」「選んでもらって」「はい」
店内ではお母さんが選別の作業中。
「椎茸ください。キャンプで食べようと思って」
「何人で食べるの?」
「一人です」
「今日は小さいのしかなくてね」
「今、外でお父さんに聞きました」
「いつもはないよって断ってるけど、馬があったんじゃない?」
「そうなんですかね」
「小さいけど選んでみるね。今日は休み?仕事は?」
「えーと、八百屋みたいなもんです」
「八百屋さん?じゃあ、変なの選べないわね」
「写真撮ってもいいですか?」
「SNS?ギャルじゃなくてゴメンね。ギャルだったらこーして選んでます♪って映えるのにね」と明るいお母さんでした。
「八百屋さんなら分かるよね。これはイマイチ、これ最高」
「ですね。これ良さそうですね」
椎茸がいっぱい入った一つのコンテナからたった5個位を選んで次のコンテナへ。
超厳選してくれた一袋。
「アルミホイル持ってる?」
「持ってます」
「あと美味しい塩があるといいんだけど」
「あります!」
簡単で美味しい食べ方を教えてもらいました。
「美味しいからって飲み過ぎないでよ」
「はい。ありがとうございます」
店を出るとお父さんが「キャンプかい?」
「はい、椎茸買いました」
「袋ある?」
「袋ですか?ビニール袋なら…」
「塩、持っていくか?テントの周りに撒くと虫よけと魔除けにもなるから。ぐっすり眠れるよ」
「魔除けですか…」
どこまで本気でどこまで冗談かよく分かりませんが、塩、もらいました。
さて、キャンプ場。
随分前から行ってみたいと思っていた場所ですが、高原の爽やかなキャンプ場でした。
なんて気持ちのいいサイトでしょうか。
しかも今どきバイク込みで700円という価格。
素晴らしい!
「テント、かわいい〜♪写真撮らせてもらっていいですか?」と受付にいた女性。
「いいですけど」
聞くと、市の職員さんで派遣でこのキャンプ場で働いているとか。
「まだ来たばかりで」
「と言うと、いろんな場所で?」
「前は駅前のお土産屋とか。辞令一枚であちこちですよ。写真、サイトで使わせてもらっていいですか?」
「全然構いませんよ」
「あの、お礼です」
「蒲焼さん太郎ですか…。ありがとうございます。夜食べます」
椎茸屋のお父さんにもらった塩ですが、高見盛が使うのかと思うほどの量。
これ、テントの周りに撒いたら真っ白になって、絶対怪しい人です。
それにサイトが草地だったので塩を撒くのも気が引けて、テントの横で盛塩にしておきました。
これで魔物は来なそうです。
スーパーで買ってきたチーズピザ。
フライパンで強引に温め直します。
これ、結構美味しかった。
お刺し身の切れ端。
定かではないですが、ブリ、タイ、ホタテが入っていたかな。
鮮度がよく美味しいし、安くて量もかなり入っていて、これ大当たりでした。
高原だけに日が暮れると一気に気温が下がります。
焚き火の用意。
パックに入っていたもつ煮。
味、まあまあかな。
500gは多かった。
向井さんの七味、持ってきてよかったです。
さて、椎茸の出番です。
お母さんに教えてもらったように、アルミと美味しい塩はイヤシロソルト。
持ってきてよかった。
「強火でいいから5分位かな」と言っていたのでその通りに。
美味っ!
すごい旨味。
実に美味い椎茸です。
美味しいからこそシンプルな塩がいいんでしょうね。
これは飲み過ぎちゃいます。
でもお腹いっぱい…。
蒲焼さん太郎と念のために買っておいたベビースターの出番はありませんでした。
雲が出ていて星はあまり見えなかったけど、おぼろ月夜もいいもんです。
雲が切れた瞬間。
ほぼ満月かな?
寝ようと思ったら草むらがガサガサ。
ん?獣に囲まれている気配。
ライトを照らすと光る眼が無数に。
ん?何だ?鹿?
どうも鹿の群れのようです。
一頭捕まえて鹿刺しにして食ってやろうとも考えましたが、お腹いっぱいなので今日のところは許してやることにしました。
朝はコーヒーと野沢菜のお焼き。
さて準備して出発。
帰りに椎茸屋さん寄っていこう。
「おはようございます!美味しかったです!一袋ください」
「まあ、随分早いリピーターね」
「美味しかったのでお土産にと思って」
「よかった。うちは味には絶対の自信も持ってやってるから。農薬も使わないし」
「そうなんですね。素晴らしい」
「だって自分たちで食べるのに農薬いやでしょ」
「うちも同じコンセプトでやってるんです」
と言う流れで「うちで販売させてもらえませんか?」
「今は数がねえ。お父さんにも相談してみるけど、秋になればいっぱい採れるからいけるかな。これよりも美味しいのが出るから食べてほしいなあ」
「それお客さんにも食べてもらいたいです。またその頃来ますよ」
「小さいの持っていく?これ安いから。ペペロンチーノにしたら最高よ。押し売りみたいで悪いけど」
「欲しいです!ください!」
袋に入れてくれているのはお嫁さん。
息子さんも含め家族4人で椎茸作りしているようです。
「いいですね。息子さんとお嫁さんと」
「もう最高に幸せよ」
帰りにお母さんとお嫁さんのツーショット写真も撮らせてもらいましたが、恥ずかしいとのことで作業の写真だけ。
そうそう、地元で有機野菜を育てている人たちもいるようで「今度紹介してください」と名刺を渡してきました。
まだ先になりそうですが、今回は色々と楽しみな出会いがありました。
帰り、めちゃくちゃ古い食堂でお昼。
風にそよぐ暖簾にも風情あり。
ご高齢のお母さんが一人でやってるみたいで、地元の常連さんが多いです。
お客さんたち「注文、今大丈夫ですか?」とか気づかっているみたいで皆さん優しい。
悩んだ末、カツカレー。
カツにかかっているカレーの割合、完璧ですね。
味、良かったですよ。
最高!ってのとは違うけど、懐かしさを感じる心温まる昭和のカツカレーって感じ。
こういうの好きです。
ごちそうさまでした。