2020年08月20日

ぶどうの小森さんのいい話

一週間位前でしょうか。
今年のぶどうの出来はどうかと、小森さん(息子)に電話すると「今年は来ないんですか?」と。
「今年はタイミングがねえ。じゃあ、行きましょうか」と急きょ決まった福島行き。
(ツーリングのいい口実です)

いやあ、暑かった!
めちゃくちゃ暑かった!
日中は38度。
酷暑の中のバイクはキツイです。
「小森さん、暑いです!」
「暑いですよ!」
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まだぶどう棚の下は涼しかったですが、それでも歩くだけで汗だくでした。

そうそう、ぶどうの様子ですね。
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お父さんと息子の治郎さんが案内してくれました。

昨年は雨が多く不調でしたが、今年は対策を講じ良好のようです。
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「去年は水吸って、だいぶ割れちゃったからなあ。今年はいいと思いますよ」

それぞれ、品種を説明してくれたんですが…。
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すいません。
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どれがどの品種か忘れてしまいました。
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「食べてみて。まだ酸味が抜けてないけど」
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確かにまだ酸味はありますね。でも味はしっかり乗ってます。

畑を見ながら、色々とお話を聞かせてくれました。
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「今年は山梨のぶどうが不作みたいで、いろんな業者とか問屋から電話かかってくるんですよ。でも、値段はいくらで量はこれぐらいでって言うんですよ。なに勝手に決めてんですかって。すると、随分強気ですねって言うでしょ。それはそっちでしょって」
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「こっちはクソ暑い中仕事してるんですよ。暑いっすよ。それをエアコン効いたところで電話してきて、あっちがダメだからこっちって。俺達の苦労分かってくれるんですかって。俺達の気持ちまで買ってくれるんですかって。星野さん、こうやって暑い中来てくれて、一生懸命売ってくれて、うちはそういう取引先を大事にしたいって、みんな断ってるんですよ」
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「農家の仕事は手間暇かけて、お金をもらって、お客さんに喜んでもらうのが仕事でしょ。それを楽して手を抜いて、それを売るって、それは泥棒と同じだと思いますよ。『食』って漢字、どう書きます?人に良いって書くでしょ。人が食べて良いものが食べ物。だから良いものを作らないとダメなんですよ」
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「有機のトマトやきゅうりでも同じ品種なのに、ある人のはすぐしおれたり腐ったりするけど、ある人のは全然日持ちする。美味しいのはやっぱり日持ちする方なんですよ。栽培が違うんだろうけど、それは作る人の性格が出ているんですよ。ぶどうの木も根がどれだけしっかりしているか。土が健康なら根もしっかりします。ほら、人間もそうでしょ。年取っても足腰が大事じゃないですか」
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「雑草って名前の草はないんです。それぞれに役目がある。その雑草たちを見れば土の健康状態が分かります。雑草を知らないで農業なんてできるんですかね。たまに他の農家さんの畑見たりするけど、すぐ健康状態分かりますよ。これは美味しくないだろうなって食べるとやっぱりって。この近くだとさくらんぼとかあるけど、食べ放題の観光農園ってみんな除草剤使っちゃうでしょ。美味い訳ないですよ」
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「ただ栄養価の高い有機肥料を与えればいいってもんじゃなくて、若い木にはそれなりの栄養。人間だって赤ちゃんからステーキ与えないでしょ。与えたらどうなります?子供の頃から栄養与えて大きくするのがいいんじゃなくて、小さくても健康に育てることが大事なんですよ」

小森さんの話、すごく分かりやすく、いつも勉強になります。
今度はもっとゆっくり時間を作って。
やっぱり夜一緒に飲みながらがいいんでしょうね。

で、ぶどうの初入荷ですが。
「食べてみてどうですか?判断してください。少し早いけど出荷はできます」
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「確かに全体に酸味は残ってるけど味自体はいいです。この暑さだからこれぐらい酸味があってもいいかも」
「そうなんです。ただ、食べた人が酸っぱいってなっても困るだろうし」
「そこはちゃんとお伝えしながら販売します」
「さすがですね」
「いやいや、うちとしては当然なんですけど」
と言う訳で、初回入荷は例年よりやや早めの22日(土)です。
初回はピオーネとブラックビートの2種類です。

食べ残しを箱詰めしてくれたぶどう数種類をスタッフのお土産に。
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夜、店に戻り、遅番だった絹子に。
「嬉しい〜♪どれが何の品種?」
「え〜と…。全然分からない」

小森さんのぶどう、いよいよスタートです。

posted by フレスコ at 12:17| オーナーの話